ロードバイクメーカーEDDY MERCKXの魅力に迫る
ツール・ド・フランス 5回制覇
ジロ・デ・イタリア 5回制覇
ブエルタ・ア・エスパーニャ 1回制覇
ツール通算ステージ34勝
単年ステージ8勝、
マイヨ・ジョーヌ保持日数96日
人食い=エディ・メルクスが持つ上記の記録は、いずれもツールにおける最高記録であり、トリプルクラウン世界初の実績や、アワー・レコード世界新記録(49.43195km/h)の樹立などを鑑みると、人類史上彼を含めてたった2人しか名乗ることを許されていない< カンピオニッシモ(王者の中の王者)>の称号すら、彼の偉業の数々を形容するのには不足を感じさせる。
更に特質すべき点として上げられるのは、彼が「 現役時代から極度のヘビースモーカー 」であった点で、エディ・メルクスが人体の常識の外に存在する例外中の例外であることは、もはや疑いようのない事実だと思われる。
「 あれは人ではない 」という評は、誇張でも比喩でもなく、エディ・メルクスを語るのにこれほど適切な言葉はないだろう。
「 ウールと言えばメルクス(ウェアに対しては最後まで保守的だった) 」「 肉抜きのメルクス( マシン軽量に関しては革新的で肉抜きの祖と言われる) 」など、多くの逸話・異名を持つ不世出の超人は、1978年、最強のヘビースモーカーまま、遂に現役を引退した。
引退したメルコスは、現役時代のフレーム製作担当=ウーゴ・デローザに師事した後、ブリュッセル郊外でバイクフレームの制作工場=エディ・メルクスを創業する。
結果、2010年代においては、平成生れの若い世代にとって、伝説のレーサーとしてのエディ・メルクスよりも、トム・ボーネンやシルヴァン・シャヴァネルらが所属する名門チーム「クイックステップ」のオフィシャルチームバイク(スポンサー)としてのエディ・メルクスの方が知名度が高くなっているが、これはブランドとしてエディ・メルクスが成功したことを意味する、喜ばしい展開と言えるだろう。
現役時代のその輝かしすぎる偉業から、既に生きながらにして歴史上の人物となってしまったメルクスであるが、創業から30年が経過した2008年、63歳当時でも相変わらず自転車に乗り続けており、週末だけの乗車で年間5~6000km(毎週末土日の2日間で100キロ)を走行するほど健在だったが、突如エディ・メルクスの経営から退くことを決断する。
その理由がまた揮っているので、是非紹介させてほしい。以下、経営から離れる理由を尋ねられたエディ・メルクス翁のコメントである。
「 健康第一だから 」 ← 喫煙暦半世紀のヘビースモーカー
突っ込みどころが多すぎる気がするが、老いて益々の規格外=メルクスな点は、ファンとしては大変に嬉しい限りである。
老兵は死なず、ただ消え去るのみ。
ただし、メルクスを除く。
ロードバイクメーカー エディ・メルクスの買取実績